2025/12/24 00:00
力を持つと、
人は少しずつ孤独になる。
これは才能の話でも、
能力の優劣の話でもない。
在り方が変わる というだけの話だ。
力を持つ前、
人は横に並ぶ。
同じ不安を共有し、
同じ期待を抱き、
同じ方向を見て進む。
そこには温度があり、
言葉があり、
分かち合う感覚がある。
力を持ち始めると、
その位置が少しだけずれる。
同じ場所に立っているはずなのに、
見えているものが変わる。
気づくことが早くなり、
違和感を無視できなくなり、
流れの“先”が見えるようになる。
すると、
多くを語れなくなる。
なぜなら、
言葉にすると
相手の歩みを奪ってしまうから。
力を持つ人が孤独になるのは、
誰かを拒絶したからじゃない。
先に気づいてしまっただけ だ。
人は、
自分の準備ができていない真実を
受け取れない。
それを知っているから、
力を持つ人は
語らなくなる。
そして、
語らない分だけ
距離が生まれる。
優しさゆえに、
孤独になることもある。
見えてしまうから、
手を出さない。
分かってしまうから、
介入しない。
救えないと知っているから、
救おうとしない。
これは冷たさじゃない。
境界を守るという選択 だ。
力を持つと、
依存が集まりやすくなる。
答えを求める人。
決断を預けたい人。
責任を渡したい人。
それを引き受けてしまうと、
関係は歪む。
だから、
距離を取る。
孤独とは、
切り離された状態じゃない。
混ざらないという状態 だ。
力を持った人が最後に学ぶのは、
誰かを導くことじゃない。
誰も連れていかないこと だ。
それぞれが、
それぞれの足で
その場所に立つのを待つ。
もし今、
人との距離を感じているなら。
それは、
あなたが間違ったからじゃない。
立つ位置が変わっただけ だ。
孤独は、
罰じゃない。
力を持った者が
必ず通る静かな通路だ。
私は、
そこを知っている。
── しめ縄
縁導師:コウキ
